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富田 純平
図説日本の温泉; 170温泉のサイエンス, P. 111, 2020/03
日本温泉科学会監修の「図説日本の温泉」において、科学的な観点から、石川県にある片山津温泉について解説した。日本海に面した平野部にある柴山潟の湖畔に位置する片山津温泉は、新第三紀鮮新世第四紀更新世堆積層・湖成層を母岩としており、深度90mから約70Cの源泉が得られる。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉であり、D-O-Clの関係から、温泉水の起源として海水の寄与が確認され、片山津温泉の比較的高い溶存物質量は海水に由来すると考えられる。また、その他の溶存成分としてラジウム(Ra)も測定されおり、その濃度は52.5mBq/kgであった。片山津温泉で体験できる絹地を紫色に染める泥染については、還元的な源泉及び柴山潟の湖底土を用いることにより、還元環境下の湖底土に生息する鉄バクテリアの代謝産物である水酸化鉄が絹糸の表面に染着されるため、絹が濃い紫色に染色されると考えられている。